平成28年9月30日永眠 名前「ロッキー」 オス 享年約9歳

この子は、当家族が拾って保護した捨て猫でした。
過去も、現在も含めて1~2位を誇る人間好きで、非常に人馴れしたしつこいくらい甘ったれな子でした。
子猫の時から保護したわけではありませんでしたが、いつでも家族にまとわりついて、離れない子でした。
少しずつ、痩せていき元気がなくなりだしたころ、家族もお別れが近いのを自覚してきました。

苦しい時期、忙しい時期、楽しい時期、この数年はこの子は沢山の保護犬、保護猫を見送ってきた子です。
あまり積極的に里親募集をしておりませんでした。
年も年ですし、きっと家族に看取ってもらいたいと思ってるかも知れないと思ったからです。

晩年は、家からあまり出ず家族と一緒に寝る日々。
時々、お宝を捕獲して家の中にもってきて家族に怒られる?(笑)日もありました。
本当にいろんな宝を捕獲して持ってきましたね。
ヘビ、トカゲ、ネズミは当たり前、野鳥(種類不明)、もぐら、トンボ・・
ハンターといっても可笑しくないくらい、いろんなものを持ってきました。

放し飼いにすると本当にあらゆるものを持ってきて、
感染症も怖いので、月に1回は温かい日は洗ってましたが、晩年は狩りもしなくなったので、
春~夏にお風呂に入れる程度でした。

高い場所が好きなのは猫の特徴でしょう
猫タワーなど高級な遊び道具はありませんが、和箪笥の上、洋服箪笥の上、
食器棚の上など、猫用座布団を置くとそこで保護猫たちを引き連れて寄り添って寝てました。

猫の世界も、若い女の子の猫が保護されるとロッキーは異常に優しく変な声をだして優しく寄り添ってました。
もう1頭いる、ジージというオスと非常に仲が良く、いつもオス同士で寝てましたが、
メスがいるとやはりメスの方へ行ってました。

晩年は、食も細くなり、手作りのやわらかい細かい餌と缶詰と野菜を混ぜた餌を食べさせてました。
長生きはしてほしいですが、身動きできない寝たきり状態になってまで植物猫みたいな人生を送らせたくない、
その一心で、食によいものをと手間暇惜しまずにアイデアをひねって与えてました。

人間同士では決して築けないペットと人間の絆と信頼関係は、非常に大切なものです。
ペットロスになる方も非常に多いと聞きます。
何を言う私も若い頃は、ペットロスで落ち込んだ時期がありました。
しかし、ある住職さんの話を聞き、ペットも人間もいつかは死に、肉体は滅びます。
でも、その子の死を悲しむのではなく、ありがとうという感謝の心を持ってくださいと言われました。
自分の人生の6分の1近くの時間を、自分の生活に合わせて一緒に生活してくれて、
自分の運命を私に預けて一緒に日々を過ごしてくれる猫や犬たちでしょう。
一緒に人生を共に過ごしてくれたペットたちに感謝の気持ちを持ち、
安らかに眠ってもらえることを祈って元気に過ごしてるのをみせてあげるのが
飼い主の最後の弔いだと思いますよと言われました。

若い時の私にはそのような崇高なお言葉は、全く理解できませんでした。
ただ、ただ喪失感の苦しみで自分を責めたり、涙を流して過ごしてました。
しかし、住職が言うには寂しくて泣いて過ごすことは「自分が寂しいから泣く」というわがままであると。
その大切な猫や犬の気持ちを考えれば、もう肉体を脱ぎ、痛みのない苦しみのない世界の橋を
無事に渡ったのだろうか、何も心配せずいつか自分が行くときに会おうじゃないかと
ペットを安心させて眠らせてあげる気持ちを持ってくださいと。

宗教的な考えは置いて、人は無宗教の方であろうとも、一度は仏壇に線香をあげたことがあると思います。
そして、手を合わせて故人や先祖様への報告や祈りをささげたことがあると思います。
日本人古来からの風習や考え方に沿って、みんな生活してきてます。
自分と一緒に過ごしてくれたペットたちも、幸せに過ごせた数年間、又は十数年間を飼い主様に
感謝してくれてると思います。

私は、いつのころからか泣いて見送ることよりも、苦しまずに大往生してくれたね、ありがとうと
祈るようになりました。他の保護犬や猫も仲間の死をわかるようで、
遺体に寄り添って離れようとしない子もおりました。
ペットの死は、人間の死と同じで「一時的なこの世での別れ」であり、
自分もいつか、あの世へ旅たつ時、橋のたもとの向こう側で座って待ってくれてることでしょう。
だからこそ、彼らにとっての1日は人間の6~7倍の時間が過ぎております。
とても貴重な時間です。
抱きしめてあげて、なでてあげて、じっくりと目をみつめあって、それだけで彼らは幸せなのです。

私もこれからまだまだたくさんの子たちを保護し、命を助けていかねばなりません。
ペットと過ごすことは、奥深い人生を送るための要素です。
これからも皆様、かわいい家族との深い愛情で楽しいドックライフをお過ごし頂けますよう。

ロッキーの冥福を祈り、これからも当犬舎に関わり関係なく、すべてのペットを愛する方々、
小さな命を愛おしいと感じて下さる方、悲しい意味のない処分を0にし、みんなが幸せに暮らせますように。
長文拝読ありがとうございました。

ロッキーよ、何も心配することなく静かに眠ってください。
そして、当家にきて巡り合えたことにありがとうを言いたい。